minka - 眠家 -

2019/04/03 15:25


令和を迎える新しい時代。
今では100歳を超えることも珍しいことではなくなりました。私たちは人生の3分の1を眠ることに費やすと言われています。バリバリ働いたり、日々忙しく過ごす人は4分の1か5分の1くらいかもしれません。
仮に100歳まで生きる人間が人生の5分の1を眠ることに費やすとしても、20年を費やす計算です。

この20年を良いものにするか悪いものにするかは、眠っている時間はもちろん、目覚めている時間の充実度にも大きく左右されます。
良い眠りにつくことができれば良い活動ができ、良い活動ができれば良い眠りにつくことができる。この好循環を生み出すために、私たちがお手伝いできること。それはもの選びです。

良いものを選べば自分の人生を助けてくれる。見た目も機能も揃っていればなお良し。そんな気持ちで道具選びをしています。
例えば眠家では、ベッドシステムはオーストリアのRelax社のものだけ。タオルはヒポポタマスだけ。枕は金澤屋だけ。オーナーが自分で体験し、「これがあるべき」と思ったものをひとつのカテゴリにひとつのブランドだけをラインナップして皆様にお届けしています。





欲しいと思えるベッドはそんなにない

インタビューなどで何度か話したことがありますが、私が眠家を始める前、ちょうど結婚したタイミングで新しいベッドを探すことになりました。でも、欲しいと思えるベッドは見つかりませんでした。そのお話をしたいと思います。

私は当時、某アパレルブランドのお店の店長をしていて、そのブランドというのも国内ブランドではトップクラスに人気のある良い洋服を売っていたんです。デザインは旬でありながら大人が着るにふさわしく、縫製はキレイで、使っている生地やファスナーも上質なものが使われていました。働いていれば否が応でも良いものを見る目が育ちます。
そんな中、ベッドを探し始めました。有名な家具屋さんは一通り見ましたし、ウェブでもいろいろと見て回りました。デザインに工夫を凝らしたものもシンプルなものもありとあらゆるものを見てみましたが、「これだ!」と納得できるものがなかなか見つかりませんでした。

そもそもベッドは何と何で完成しているのか。ベッドフレーム、マットレス、シーツ、掛け布団、ブランケット。これら全てのデザイン・機能を自分が納得できるレベルで探し当てるのは難易度が高すぎたんです。
見た目が良くても寝心地が悪かったら元も子もありませんし、寝心地が最高でも見た目が満足できないと家には置きたくありません。
ベッド、特にフレームやマットレスは消耗品ではなく耐久財だと思っているので、不満を抱えたままではまた買い直さなければいけません。そんなのは嫌でした。ですから、とことん探しました。そして、ようやく自分が納得できる組み合わせが見つかりました。





どうせお金がかかるなら納得して買いたい

一人暮らしを始める頃、初めて自分でベッドを選んで使うことが多いでしょう。そのタイミングではお金もないし、部屋も狭いし、良いベッドといっても限界がありますが、30を過ぎた頃、大人としてこれからの将来を考えたり、生活の質そのものを高めることに関心が向き、半端なベッドは必要ないなという考えもありました。
例えば3万円のシングルサイズのベッドセットをその後一生使うということはまず考えられません。どこかで必ず買い換える必要があります。そうすると、結局生涯トータルではウン十万を払っておきながら、眠りの質は低いまま。であるなら、本腰を入れて良いものを選びたかった。
生活水準に見合った買い物は大前提としても、ベッドにかけるお金はあまり渋っても生活は良くならないな、と。





目的は日中のパフォーマンスを良くするためでもある

私はなにも良いベッドで眠れば良い眠りにつけるよ、と短絡的な話をしているわけではありません。それは要素の一つにすぎません。
眠ることの目的はいわば体を充電することですが、充電したらそのエネルギーを使いますよね。しっかり充電できればエネルギーが満タンになる。悪ければ100%になるどころか起きた時に体のどこかが痛いなんてことすらあります。つまり、目が覚めてから仕事をしたり運動をしたりするパフォーマンスの時間の充実と、それによって再び良い眠りにつけるローテーション=生活こそが本当の目的なんです。




運命のベッドシステムに出会う

ベッドで重要とされるポイントはいくつもありますが、とりわけスプリングのシステムで寝心地は大きく左右されます。
スプリングはコイル状のものかエア注入型かウレタンくらいしか知らなかったのですが、これらは全て劣化が早いことはご存知でしょうか。金属パーツは湿気によって錆びたり体重をかけるときしんだりしますし、エアはしぼんでしまうし傷みやすい。ウレタンに至っては数年経過すれば必ず加水分解でボロボロになってしまう宿命です。
私が出会ったRelax社のスプリングは木の板とラテックス(天然ゴム)という天然素材だけでできていました。そして劣化しにくく、たとえ傷んでも交換ができる。そこに惹かれたこと。そして何より寝心地が素晴らしいことです。
パーツを体の位置によって調整できて、自分の体型に合ったベストな状態が作れる、まるでビスポークシューズのような最高のフィッティングで寝ることができるんです。
ようやく自分に合うものが見つかって、とても嬉しかった。同時に高価だったので買うのは少し悩みましたが、その後一生を良くするためと思い、買うに決断しました。
そして、これを世に広めていこうとも考えました。こんなに良いものなのに、ほとんど知られていない。良い寝具を探しているけど見つからない人のため、眠りに悩みを持っている人のため、パフォーマンスの時間をより充実させたい人のために、寝具店を生業とし、普及させていきたい。
それが現在の眠家のスタイルです。